AI翻訳は下訳や要約を速くしますが、専門用語、固有名詞、否定、条件を誤ると、自然な文章のまま重大な誤訳が残ります。翻訳者・通訳者にとって重要なのは、生成速度ではなく、用語と根拠を管理できることです。

翻訳者が使いやすい工程

  1. 原文の分野・対象読者・目的を整理する
  2. 固有名詞と専門用語の候補を抽出する
  3. 既存資料から対訳を探す
  4. 下訳を作り、未確定箇所をマークする
  5. 数字、否定、条件、参照先を確認する
  6. 用語と表記を一括チェックする
  7. 今回の確定訳を用語集へ追加する

案件開始時に用語集を作る

原語確定訳使用場面使用しない訳根拠
製品名正式表記全文略称公式サイト
専門用語顧客指定訳技術文書一般訳用語集

AIへ用語集を渡すだけでなく、確定訳と候補訳を分けます。複数の意味がある語は、文脈と対象読者を付けます。

音声案件の下準備

通訳や映像翻訳では、録音の文字起こしから話者、時刻、固有名詞を整理します。原発言と通訳発言が同じファイルにある場合は、言語と話者を分けます。

聞き取れない箇所をAIに推測させず、時刻付きで「不明」と残します。後から別担当者や依頼者へ確認できる状態を保ちます。

AI訳の優先チェック

  • 数字、単位、通貨
  • 日付、時制、期限
  • 否定、例外、条件
  • 人名、会社名、製品名
  • 代名詞が指す対象
  • 法的・技術的な義務の強さ
  • 表や見出しと本文の対応
  • 訳抜けと重複

自然さだけを先に直すと、内容の誤りを見落とします。意味、完全性、用語、文体の順に確認します。

通訳準備で使う

会議資料から、参加者、目的、略語、数字、想定質問を抽出し、短い準備シートを作ります。過去会議の録音が利用できる場合は、話者の速度や頻出表現を確認できます。

ただし、機密資料や録音を外部サービスへ入力できるかは、依頼者との契約と組織ルールを確認します。

品質確認用プロンプト

> 原文と訳文を比較し、数字、固有名詞、否定、条件、時制、訳抜け、意味の追加、用語不統一の候補を示してください。訳文を勝手に確定せず、原文、訳文、問題の種類、修正候補、要確認理由を表にしてください。

AIへ全面的な書き直しをさせるより、問題候補を抽出させる方が変更理由を追いやすくなります。

案件後に残すナレッジ

  • 確定した用語と表記
  • 顧客固有のスタイル
  • 誤りやすかった語句
  • 参照した公式資料
  • 次回確認する未解決事項
  • 利用許可されたAI・保存場所

原文や音声そのものを長期保存できない契約では、保存可能な用語情報だけを分離します。

多言語端末の比較は多言語AIボイスレコーダー比較、固有名詞対策は専門用語・人名の文字起こし精度を上げる方法で解説しています。

まとめ

翻訳・通訳でのAI活用は、下訳の速さより、用語、根拠、未確定箇所を一貫して管理できるかが重要です。会話と確定訳を案件横断で検索できる仕組みは、継続案件の準備時間短縮にも役立ちます。

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