複数人の会議を文字起こしするとき、文章が正しくても「誰の発言か」が違えば議事録の意味が変わります。この問題を整理する機能が話者分離です。
話者分離の意味
話者分離は、音声の中で話者が切り替わった場所を検出し、話者1、話者2のようなラベルを付ける処理です。英語ではspeaker diarizationと呼ばれます。Google Cloudの公式資料でも、話者の変化を検出して単語へ番号を付ける仕組みが説明されています。
話者の本名が自動で確定するとは限りません。出力後に参加者名を割り当てる製品もあります。
話者分離・話者認識・チャンネル分離の違い
| 用語 | 何をするか | 出力例 |
|---|---|---|
| 話者分離 | 異なる声をグループ化 | 話者1、話者2 |
| 話者認識 | 声を登録人物と照合 | 田中、佐藤 |
| チャンネル分離 | 左右・入力回線を別処理 | 顧客側、担当側 |
製品ページで「話者識別」と書かれていても、どの方式かを確認します。
失敗しやすい5つの条件
発言が重なる
同時発話では二人の音が一つの波形に混ざり、片方の発言が欠けたりラベルが入れ替わったりします。
マイクからの距離が違う
近い人の声が大きく、遠い人の声が小さいと、同じ話者が別人として分割されることがあります。
似た声質・短い相づち
「はい」「そうですね」だけでは、話者を区別する材料が少なくなります。
参加者が途中で増減する
想定話者数と実際の人数が違うと、ラベルが不安定になる場合があります。
スピーカー音声を一台で再録音する
オンライン参加者全員の音が一つのスピーカーから出ると、距離情報を利用しにくくなります。
会議で精度を上げる方法
参加人数を正しく設定し、機器を中央または主要話者に近い位置へ置きます。司会が発言の重なりを減らし、会議冒頭で参加者が順番に名乗ると、後からラベルを確認しやすくなります。
オンライン会議では、会議サービス側の個別音声や文字起こしが利用できるか確認します。外部レコーダーでスピーカー音を録る場合は、内蔵機能より話者分離が難しくなることがあります。
確認するべき発言
すべてのラベルを直す前に、決定、承認、反対、担当、期限、顧客の要望など、話者が重要な箇所を原音で確認します。相づちや雑談は用途に応じて修正範囲を減らせます。
まとめ
話者分離は議事録を読みやすくしますが、人物の本人確認や責任の確定を代行する機能ではありません。録音条件を整え、重要発言だけは原音へ戻れる状態にします。
文字起こし精度を改善する方法とAI議事録の作成手順も参照してください。
