大規模言語モデル(LLM)は、大量の文章から言葉の関係を学び、入力された文章に続く適切な内容を生成するAIモデルです。英語ではLarge Language Modelと呼ばれます。
AIボイスレコーダーでは、録音した音声を直接LLMが聞いているとは限りません。多くの場合、まず音声認識で文字へ変換し、そのテキストをLLMが要約します。
LLMと文字起こしAIの違い
| 項目 | 音声認識AI | LLM |
|---|---|---|
| 入力 | 音声 | 主にテキスト |
| 主な役割 | 音声を文字へ変換 | 要約、分類、文章生成 |
| 主な誤り | 聞き間違い、話者の混同 | 推測、意味の取り違え |
| 確認対象 | 固有名詞、数字、雑音部分 | 決定事項、否定、因果関係 |
文字起こしが誤っていると、LLMの要約も誤ります。二つの処理を分けて確認することが重要です。
AIボイスレコーダーでの役割
一般的な処理は次の順番です。
- マイクで音声を録音する
- 音声認識AIが発言を文字にする
- LLMが議題や要点を分類する
- 決定事項やToDoを抽出する
- 読みやすい文章や表に整える
この流れにより、長い文字起こしを最初から読む時間を減らせます。AIボイスレコーダーの仕組みでも全体像を説明しています。
LLMが得意なこと
- 長文を短く要約する
- 指定した項目へ分類する
- 重複した発言をまとめる
- 文体や長さをそろえる
- 質問に関連する箇所を探す
- テンプレートに沿って文章を作る
出力形式を明示すると、用途に合う結果になりやすくなります。議事録作成AIプロンプトには具体的な指示例があります。
LLMが苦手なこと
事実を自動で保証すること
LLMは自然な文章を作れても、その内容が事実かどうかを自動で保証しません。原文にない理由や結論を補うことがあります。
曖昧な会話から決定を断定すること
「検討します」「方向性は良い」といった発言を決定と誤認する場合があります。合意と提案を分ける指示が必要です。
最新情報を常に知ること
接続する検索機能や参照資料がなければ、最新の価格や制度を正確に反映できない場合があります。
ハルシネーションとは
AIが根拠のない内容をもっともらしく生成する現象を、ハルシネーションと呼びます。
議事録では、次のような形で表れます。
- 発言していない担当者を補う
- 未定の期限を推測する
- 提案を決定事項へ変える
- 数字を丸める
- 否定表現を落とす
「不明なら要確認と書く」「推測しない」と指示しても、最終確認は必要です。
料金の考え方
LLMの利用料金は、サービスごとに定額、クレジット、処理量に応じた従量課金などがあります。音声の文字起こし料金と、LLMによる要約料金が別の場合もあります。
比較するときは次を確認します。
- 文字起こし時間の上限
- 要約回数やクレジット消費
- 無料枠の更新周期
- 上限超過後の単価
- 高性能モデルを選んだ場合の追加費用
文字起こし従量課金の比較では、固定費以外の見方を整理しています。
情報管理で確認すること
会議の文字起こしをLLMへ送る場合は、処理内容だけでなくデータの扱いも確認します。
- 入力データの保存期間
- モデル学習への利用有無
- 保存場所と国外移転
- 管理者権限と共有設定
- 削除・書き出し方法
顧客情報、人事情報、営業秘密は、承認された環境だけで処理してください。
実務での確認手順
- 音声認識の誤変換を修正する
- LLMに出力形式と禁止事項を伝える
- 数字、日付、固有名詞を照合する
- 提案と決定を区別する
- 担当者と期限を確認する
- 不要な個人情報を削除する
結論
文字起こしAIは音声を文字へ変え、LLMはその文字を整理します。LLMは議事録作成を速くできますが、正しさを保証する仕組みではありません。二つの処理を分け、原音と照合しながら使うことが重要です。