秘書・エグゼクティブアシスタントの仕事は、予定を入れるだけではありません。会議の目的を理解し、必要な情報を集め、関係者へ確認し、決定後のフォローまでつなぐ仕事です。
AIはこの流れの下準備を速くできますが、役員名義の発信や重要な約束は人が確認する必要があります。
AIが役立つ7つの業務
- 過去資料から会議の背景を整理する
- 参加者別にアジェンダ案を作る
- 会議記録から決定・担当・期限を抽出する
- 日程候補と必要な移動時間を整理する
- 依頼事項を期限順に並べる
- メールや案内文の下書きを作る
- 週次の未完了事項をまとめる
会議前:背景を一枚にまとめる
役員が会議へ入る前に必要なのは、大量の資料ではなく、判断に必要な差分です。AIには過去の議事録と今回資料から、次を抽出させます。
- 会議の目的
- 前回決まったこと
- 未完了の宿題
- 今回判断が必要な項目
- 参加者とそれぞれの関心
- 数字や条件の変更点
AIが作った背景情報は原資料のリンクと一緒に提示します。出典が分からない要約は、短くても確認に時間がかかります。
会議中:記録と気配りを分ける
記録へ集中しすぎると、時間管理や参加者への配慮が難しくなります。録音・文字起こしを補助に使い、秘書は次の点をメモします。
- 決定した瞬間
- 役員が再確認を求めた点
- 会議後に連絡する相手
- 公開範囲に注意が必要な内容
- 次の会議へ持ち越す論点
文字起こしは発言を残せますが、場の優先順位までは確実に判断できません。人の短いメモと組み合わせます。
会議後:10分でフォロー表を作る
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 決定 | 何を決めたか |
| 担当 | 誰が実行するか |
| 期限 | いつまでか |
| 完了条件 | 何をもって完了とするか |
| 連絡 | 誰へ何を伝えるか |
| 次回 | 次に確認する日 |
AIで候補を抽出し、会議主催者または役員が確認してから関係者へ共有します。「検討する」を「実行する」に変えないよう、根拠となる発言へ戻ります。
メール下書きの使い分け
AIへ任せやすい
- 日程候補の案内
- 会議資料の提出依頼
- 確認済み議事録の送付文
- 定型的なお礼
人が慎重に確認する
- 契約や金額の約束
- 謝罪、事故、苦情への回答
- 人事や健康に関する連絡
- 役員の意見として外部へ出す文章
宛先、添付、期限、金額、役職名をチェックリスト化すると、AI利用の有無にかかわらず誤送信を減らせます。
情報管理のルール
役員会資料、M&A、人事、未公表業績などは、一般向けAIサービスへ入力しません。組織が許可した環境、アクセス権、保存期間を確認し、音声記録も必要最小限にします。
予定表と会議記録を連携する場合も、すべてを一つの権限にまとめず、機密度ごとに分けます。
会議後の自動化は会議後にAIへ任せられる作業、タスク抽出は決定事項とToDoを漏らさず抽出する方法も参考になります。
30日で始める導入手順
1週目は会議アジェンダ、2週目は確認済み記録からのタスク抽出、3週目はメール下書き、4週目は週次フォロー表へ広げます。送信や予定登録は自動化せず、誤りの種類を把握してから承認付きで連携します。
まとめ
秘書業務のAI活用は、単発の文章作成より、会議前の文脈、会議中の記録、会議後の実行をつなぐと効果が出ます。過去の会話とタスクを横断して探せる仕組みは、複数案件を並行する秘書の負担軽減にも役立ちます。
