音声翻訳の結果が悪いとき、原因は翻訳モデルだけとは限りません。処理は録音→音声認識→原文→機械翻訳→表示の順で進むため、どの工程で崩れたかを分けます。
精度を4段階で診断
| 段階 | 確認すること | 主な改善 |
|---|---|---|
| 録音 | 音が明瞭か | 距離、雑音、反響 |
| 文字起こし | 原文が合うか | 言語設定、用語集、話者 |
| 翻訳 | 意味が合うか | 文脈、対訳、訳し方 |
| 要約 | 重要事項が残るか | 原文参照、確認項目 |
録音段階で改善
- マイクを話者へ近づける
- 机の振動や空調音を避ける
- スピーカー音の再録音では反響を減らす
- 同時発話を止める
- 一文を短く、数字は単位まで話す
- 会議前にテスト録音する
MicrosoftもTeams字幕の精度向上策として、マイクへ直接はっきり話す、雑音を避ける、同時発話を減らすことを案内しています。
文字起こし段階で改善
最も多い失敗は元言語の設定ミスです。日本語会議を英語として認識すれば、その後の翻訳も修正できません。
人名、会社名、製品名、略語、専門用語は用語集へ登録します。辞書がないサービスでは、会議名や資料へ正式表記を入れ、後から一括置換します。
翻訳段階で改善
原文を修正してから訳します。文章が長すぎる場合は意味の区切りで分けますが、主語と目的語が別段落にならないようにします。
翻訳指示には次を含めます。
> 原文の数字、通貨、日付、否定、条件、固有名詞を変更しないでください。用語集の確定訳を優先し、意味が複数ある箇所は一つに決めず要確認としてください。
必ず人が確認する項目
- 金額、数量、割合
- 日付、期限、時制
- 否定、例外、責任範囲
- 人名、会社名、製品名
- 医療・法律・安全に関する表現
- 決定事項と提案の区別
比較テストの方法
同じ3〜5分の実音声を複数候補へ入力し、正解文を作って比較します。宣伝上の精度数字だけで決めず、自分のアクセント、会議室、専門用語で評価します。
| 評価項目 | 誤り数 |
|---|---|
| 固有名詞 | 件 |
| 数字・単位 | 件 |
| 否定・条件 | 件 |
| 話者 | 件 |
| 訳抜け | 件 |
まとめ
音声翻訳の精度は、翻訳だけを変更しても上がりません。録音音質と元言語の文字起こしを先に改善し、確認済み原文を訳すことで原因を追えるようにします。
